人口知能の発達と自動運転車の未来

Tracey Peers - 水曜日, 7月 25, 2018

“完全人工知能(AI)の開発が人類の終焉を告げることになるかもしれません…. AIは自分自身で人工知能を改変し、発展するようになるでしょう。しかも、驚異的なスピードで。はかなきもの、それは人類。遅々とした進化をたどるその存在は、AIには太刀打ちできず、人間は人工知能にその座を奪われてしまうでしょう。”

- 2014年12月 スティーブン・ホーキング博士

身近な道路で、毎年、膨大な数の自動車事故が発生しているので、交通事故による死傷者のニュースを聞いても、その一つ一つに対する人々の反応は鈍くなっているかもしれません。しかし、ある一件の事故は人々の話の種になり、世界に警報を発することとなりました。

2018年3月20日、米国アリゾナ州テンペでUber社が所有する自動運転車が49歳の歩行者に衝突し、死亡させるという事故が発生しました。以下は、衝突後に横転してしまった自動運転SUV-史上初、自動運転車が起こした死亡事故現場をおさめた悲惨な写真です。

人がAIに管理を委ねることで、世界は惨めな状況に陥るかもしれません。最初に思い浮かぶのは、人間に反抗したAIが世界を乗っ取る、、、そう、私たちが大好きなあのSF映画、ターミネーターのシーンです。しかし、交通安全の向上という観点からは、自動運転車の利点を見落としてはいけません。当然、ロボカーも時々ミスを起こすことがあるでしょう。し

かし長い目で見れば、その数は、人間のミス(ヒューマンエラー)で起こる自動車事故数よりもはるかに少ないと思われます。

上述の自動運転車の事故の話に戻りますが、その事故状況をよく見てみると、歩行者が無理に道路を渡ろうとして、自ら身を危険にさらした可能性もあります。

安全性に関する全般的問題とは別に、自動運転車の導入によって多くの法的問題が提起されています。例えば、人間が運転していない車が起こした事故では、いったい誰が法的責任を負うのか?というのも問題の一つです。

もし自動運転車の利用が広まり、皆が自動運転車に頼る社会になったとしたら、現在の人身傷害賠償制度の根本的な見直しが必要と思われます。年次の車両登録更新時に納められたCTP(強制/自賠責)保険料が蓄えられ、自動車事故で負傷した被害者に対して経済的サポートを提供する際に、その基金が利用されるというのが現在の仕組みです。また、事故の被害者には、相手の車のドライバーに過失があったことを証明することで、賠償金を得る権利が発生します。

おそらく、ロボカーが関わった事故による被害者は、ロボカーの製造元に対して賠償請求を起こせるようになるのではないでしょうか。あるいは、ロボカーに運転を任せても良いのは、事前に自動運転車使用のためのトレーニングを受けた人に限り、つまり、その人が“ロボカーのスーパーバイザー”となるわけで、そうした場合には、スーパーバイザーが事故の責任を負うことになるのかもしれません。

いずれにしても、今後、私たちの生活により深く自動運転車が関わってくるなら、Uber社の自動運転車が起こした死亡事故を発端に、自動運転車にまつわる責任の所在を明確にする法律をつくらならければいけないことは、間違いないでしょう。

自動運転車に対するオーストラリアの現在のスタンスは “様子見” で、今のところは “人間第一主義” を続けているといった感じです。

“おそらく私たちは、AIの開発・発展や、より上のレベルを目指すことだけでなく、AIがもたらす人間にとっての利益を考えることを、少しの間止めるべきです。”

- 2017年11月 スティーブン・ホーキング博士